気になる!理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の年収はどのくらい?

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、いずれもリハビリの分野で活躍する専門職です。すべて国家資格のため、仕事とするには国家試験に合格する必要があります。
この記事では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事に興味がある人に向けて、それぞれの仕事内容や働く場所、年収などについてご紹介します。

理学療法士について

理学療法士によるリハビリの様子の写真
理学療法士とは、ケガが病気などによって身体に障害をおった人などに対して、基本動作能力の回復や維持、障害の悪化の予防を目的とした理学療法を行うリハビリテーション専門職です。運動療法や物理方法などを用いてリハビリを行い、自立した日常生活が送れるように支援します。

運動療法

外部から刺激を与え、身体機能の回復や痛みの緩和を目指します。温める、冷やす、電気刺激を与える、赤外線を用いるなどの治療法があります。

物理療法

筋力をつけるための筋力増強運動や関節をスムーズに動かすための関節可動域運動などを行います。

近年は医療・福祉分野だけでなく、スポーツ関係の分野などにも活躍の場が広がっています。

理学療法士の活躍場所

理学療法士が活躍する場所として、主に下記のような場所が挙げられます。

一般病院・総合病院、リハビリテーション病院、スポーツ関連施設、老人保健施設 など

メインは病院施設が多いですが、スポーツ関係の分野などにも活躍が広がっていることから、スポーツ業界で活躍する理学療法士も増えてきています。

理学療法士の平均年収

厚生労働省の調査 によると、令和2年度の平均給与額は、正規雇用の場合は下記のようになっています。
358,560円(平均基本給額228,040円、平均手当額65,050円、平均一時金額65,470円)
これは、平成31年度と比べると、9,370円ほど増えています。上記の平均給与額から考えると、平均年収は430万円ほどと言えるでしょう。(※正規雇用のため、非正規雇用の場合は異なります。)

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作業療法士について

理学療法士によるリハビリの様子の写真
作業療法士とは、さまざまな作業を行いながら障害や病後の機能回復や日常生活動作の改善を行うリハビリテーション専門職です。理学療法士と同じく日常生活をスムーズに送れるように支援する仕事ですが、理学療法士は立つ・座るなどの基本的動作のリハビリテーションを行うのに対し、作業療法士は箸を持つ・服を着るなどのその人なりの日常生活動作のリハビリテーションを行います。
食べること、お風呂に入ること、料理することは、こころとからだの複雑な動きが関係しています。こころとからだのどちらもサポートするのが作業療法士の役割です。

作業療法士が行う仕事は、主に「身体障害」「発達障害」「精神障害」「老年期障害」 の支援の4つに分けられます。

身体障害

脳の病気や交通事故などが原因で身体が動かしにくくなって、ご飯を食べる、服を着替えるといった日常生活動作に支障をきたしている方に、動作の練習や道具の活用により生活の改善を支援します。

発達障害

子供を対象とし、運動機能、生活動作の改善を目的とした運動や動作の練習を行います。最近では「遊び」や「教育」の支援にも関わっています。

精神障害

こころの病気によって、気持ちが落ち込んだり、考えがまとまらなかったりしたときにものづくりや集団活動によって、心理状態の改善や社会生活に適応するための支援を行います。

老年期障害

高齢者によく見られる認知症やうつ、老化などがきっかけで「いきがい」を失った方々に日々、楽しい生活を送れるように支援します。

作業療法士の活躍場所

作業療法士が活躍する場所として、主に下記のような場所が挙げられます。

一般病院・総合病院、リハビリテーション病院、障害者福祉施設、老人保健施設、児童養護施設 精神科病院 など

前述のとおり、作業療法士の仕事はメンタルケアの分野も関わってくるため、精神科デイケアや精神保健福祉センターなど、精神科病院施設で活躍する作業療法士も多いです。そのほか、最近では、訪問リハやデイケアあるいは就労支援関係、支援学校、刑務所など活躍の場は広がっています。

作業療法士の平均年収

実はこの3つの職業は、給与調査において一緒に集計されることが多く、大きく違いはありません。そのため、作業療法士の平均年収も同じく400万ほどとなっています。いずれにしても、少しずつではありますが給与が上がっている傾向が見られます。少子高齢化の時代になり、リハビリ職は需要が増加しているため、給与額にも影響していると考えられます。

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言語聴覚士について

言語聴覚士によるリハビリの様子の写真
言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる」に特化したリハビリテーション専門職です。1997年に国家資格となりましたので、比較的新しい職業です。病気や事故などによる後遺症や障害、生まれつきの障害などにより、話す・聞く・食べる動作に不自由を抱える人を支援します。

言語聴覚士は、以下のような声や発音の障害によるコミュニケーションの問題や食べる障害に対応します。

言語障害

上手く話せない、話自体が理解できない、文字が読めない など

音声障害

声帯を失い声が出にくい など

嚥下障害

上手く噛めない、飲み込めない など

必要に応じて助言、練習などの援助、医師の指示のもとで行う嚥下練習や人工内耳の調整なども行う専門職です。

言語聴覚士の活躍場所

言語聴覚士が活躍する場所として、主に下記のような場所が挙げられます。

医療施設、高齢者介護福祉施設、子供の福祉・療育施設 教育機関など

「話すこと」「食べること」をサポートする言語聴覚士は、病院だけでなく、高齢者介護施設でも活躍も数多く見られています。また、発達に遅れが生じている子供へ「話す」「聞く」ことをサポートする場として、子供の福祉・療育施設や、本を読んだり文字を書いたりする教育機関で学習分野のサポートをする言語聴覚士も多いです。

言語聴覚士の平均年収

前述の通り、言語聴覚士においても作業療法士・理学療法士と同じくらいの平均年収だと考えて良いでしょう。ただ、言語聴覚士は比較的新しめの国家資格であるため、現場で活躍している年代は20代~40代が多数を占めている状況です。そのため、理学療法士や作業療法士と比べて、若干低い傾向が見られるかもしれません。

しかし、これらはあくまで目安のため、年齢や勤続年数に応じて昇給することも多いです。 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士ともに国家資格を有する専門職になるので、キャリアアップを重ねて経験が増すごとに、他の職種と同様に給与も上がる可能性が見込めます。

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さらに需要が高まる見込みのリハビリ職

この3つの職業はいずれもリハビリテーションに関わる専門職です。日本の高齢化社会に伴い、今後はさらにリハビリ職の需要が高まることが予想されます。

その中でも特に、作業療法士と言語聴覚士は現在担い手が少ない状況です。理学療法士は毎年11,000人前後国家試験に合格していますが、作業療法士は4,000人前後と少なく、言語聴覚士は新しい資格ということもあり、全体の有資格者数はまだまだ理学療法士・作業療法士には及びません。
人手が少ない状況ではありますが、最近では、作業療法士は就労支援関係の施設や刑務所など、言語聴覚士は医療や福祉関連だけでなく学校教育関連の場など、活躍の場は広がりを見せています。そのため、今後さらに需要が伸びていくことが予想されます。

もちろん、それぞれやりがいのある仕事に変わりはないため、仕事内容の違いをしっかりと理解し、自分の進む道を選んでください。

大阪保健医療大学では、基礎学問からと専門知識、そして実習や国家試験対策を通して理学療法士・作業療法士になるために4年間しっかりと学ぶことができます。また、言語聴覚専攻科では基礎学問から実習まで、現場で活躍できる知識とスキルを2年間で身に付けます。

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参考サイト